HE IS A PET.


「……サキちゃん?」

 脩吾が心配そうに、私の瞳を覗き込んだ。

「タツキ、何とかして。サキちゃん、泣きそう」

 脩吾が困った声を出すと、アズミンはふうと息を吐いた。

「咲希、ごめんねぇ……シュウ、悪いけど」

「あ、うん。俺、向こうで釣りゲーしてるから」

 帰るという選択肢はないらしい。脩吾はテレビ前に移動して、ゲームを始めた。

「リールはこれにしよ。げ、高っ。所持金足んねー。無人島より、ジャングルって気分だしぃ。ちょっ、地図は? 地図」

 賑やかな一人言をBGMに、アズミンが口を開いた。

「怜は、大丈夫よ。あの子の足取りね、大体掴めてるの」

 予期せぬ言葉にぱっと顔を上げると、アズミンの困ったような顔があった。

「怜がどこにいるか、知ってるの?」

「大体ねえ。どこに向かうかの予測は出来ないけど、どこにいたかの調べはつくって感じかしら」

 一旦言葉を区切り、アズミンは私を見据えた。

「でもねえ、怜を捜すつもりはないの」



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