HE IS A PET.

「白い服、着なくていいの? ご飯はどうするの?」

「白い服は着なくていい。普通の格好で歩く。食べるものは、何とかなると思う」

 だって昔の人は、無一文でもお遍路してたんだよ。四国では、お遍路さんを見かけたら施しをする風習があるんだって。
 と、ウィキで仕入れたような知識を披露されても、ますます心配になる。

「今は昔じゃないじゃん。そんな風習、もう残ってないかもしんないし。衣装着てなきゃ、お遍路さんに見られないよ」

「うん、そうかも。でも大丈夫、何とかする」

 他力本願なくせに、大丈夫と言い切る怜に、アズミンの言葉を思い出す。

『あの子、意外と頑固なのよねえ』


「……分かった。明日、一緒に買い物に行こう」

 怜の頑固さに根負けする。

 無鉄砲な旅になど、本当は出したくないけれど。
 怜がどうしても行くと言うのなら、出来る限りのことをしてあげたい。

「リュックと寝袋と、衣装と……保存食と水も出来るだけあった方がいいよね。あ、でも荷物重くなるか。徒歩じゃなくて、自転車じゃ駄目なの?」

 電動じゃなかったらOK、みたいな基準はないのかな。

「っていうか、そんなに色々買えない。お金ない」

「知ってる。買ってあげる」

「えっ」

 驚いた顔が、たちまち曇った。

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