HE IS A PET.


「買って、いらない。咲希さんに、もう迷惑かけたくない。咲希さんのお金、使いたくない。ここまで来てくれただけで、ものすごく悪いのに」

 これまた頑固に、私からの援助を拒絶する怜に、小さく傷つけられる。

 見ず知らずの他人の施しは乞えても、私には施されたくないってことか。


「じゃあ、買ってあげるんじゃなくて。お金貸すから、いつか返して」

「それも、出来ない。ちゃんと返せるか、自信がないから」

 頑なに首を横に振る怜に、妙に苛立った。

「じゃあ、身体で払って」

「……え?」

 茶色い瞳が驚きに染まる。

 冗談で言ったつもりが、口にすると本音に変わった。


「だって、聡子さんにも、そうしたんでしょ? 食べさせてもらった分、身体で払ったんじゃないの? アズミンにも、そうやって飼われてたんだもんね。怜の得意分野じゃん」

 胸の奥で蓄積されてきた『嫉妬』という醜い感情が、熟成されて、どろどろになって、最悪な状態でぶちまけられる。

 大きく見開いたままの瞳に、じわりと綺麗な涙を滲ませて、怜は最高に傷ついた顔をした。


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