HE IS A PET.


「……俺は、そう思われても仕方ないけど……アズミと聡子さんは違う。咲希さんとは違う。二人と、セックスはしてない。身体で返せなんて、アズミも聡子さんも言わない」

 私と二人は違う。そう言った怜は、怒ったように私を見た。

 違う。怒ったようにじゃなくて、怒ったんだ。飼い主との関係を侮辱されて。

 初めて触れる怜の怒りに怯んだ。


「ごめっ……」

 謝罪の言葉も許してくれなかった。

 すくりとベッドから下り立った怜は、ぎゅっと強く私を抱き締めた。


「れ、い……」

 堅苦しいスーツ越しに、伝わってくる生身の怜の感触に動揺する。

 格好つけて取り繕った何もかも、剥ぎ取られそうで怖くなる。


「咲希さんも、脱いで」

 腕の力を少しも緩めずに、怜が言った。

「スーツ、汚しちゃうから」

 卑猥な予告に羞恥を煽られれる。

 怜は少しだけ抱擁を緩めて、私を見据えた。憂えた瞳は、ひどく物言いたげだ。


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