HE IS A PET.


「大丈夫、鍵はこの部屋の中にあるから。探して」

「返して」

 布団で前を隠し、身を起こして抗議する。
 怜はすっと後ろに下がって、それを受け付けない姿勢を示した。

「こんなことして、本当にごめん。でも咲希さん、どうやってでも助けてくれそうだから。もう迷惑かけたくないって言ったの、本当だから」

 一生懸命な言葉を紡ぐ怜を、見捨てられたような気持ちで見上げた。

 今日、一緒に買い物に行く気でいたのに。
 出来るだけの物を与えてあげたいと思ってたのに。

 怜はどうやってでも、それを受け取らないつもりらしい。


「迷惑とか……そんな話じゃないじゃん。払った分、取って行きなよ。前払いされたままじゃ、こっちが後味悪い」

「前払いって、何……払ったんじゃないし、買っていらない。咲希さんから貰ったもの、たくさんあるから。返せないものも、たくさん。だから、待ってて」

 どうしよう、困った。怜の話してる言葉が分からない。

「待ってて」の意味が、特に。


「待ってて、いいの?」

 確認すると、怜は驚いたような顔をした。

「待っててくれるの?」

「怜が、そうして欲しいなら」

 どこまでも受け身な怜と、どこまでも意地っ張りな私。

「ありがとう、咲希さん」

 ふわりと、怜が笑った。


「行ってきます。裸、誰にも見られないで」


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