HE IS A PET.


 待ち合わせ場所で、手を振る怜を見つけた。車を横付けし、助手席に乗せる。


「お疲れさま」

 言いながら乗り込んできた怜を見て、改めてマジマジと思った。黒い。

「日焼けしたね」

 生まれつき色素が薄いらしい怜は、髪の毛と瞳の色が茶色く、色白……だったけれど。

 前より明るくなった気がする髪色と瞳と、明らかに黒くなった肌。
 半袖から伸びた小麦色の二の腕や、開いた襟から覗く胸元に、どきりとした。


「怜って、日焼けしないタイプかと思ってた。色が白い子って、日に当たると赤くなって、黒くなんないって言うじゃん」

「うん、俺もそう思ってた。でも、これでもかってくらい毎日太陽の下にいたら、さすがに焼けた」

 そう言って笑う怜は、前とちょっと違う。
 肌や髪の色だけじゃなくて、雰囲気もどことなく。

「黒いの、嫌い?」

 細いの、嫌い? 昔、そう尋ねられた事を思い出す。私の顔色を窺う、不安げな表情も。

 いまの怜は、明るく笑っている。
 嫌いって言ったら、どんな顔をするんだろう。



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