HE IS A PET.


 それぞれ簡単な自己紹介をしてから、食卓に着いた。

 とんでもなく場違いなゲストだという自覚のある私は、怜のご両親にどういう目で見られるのかが心配だったけれど、名刺を持っていて良かった。

 何せ、私の肩書きは堅い。

 つらつらと堅苦しい名称が並んだ名刺を畏まって差し出せば、まるで教師が家庭訪問に来たような感覚で、もてなされた。

 初対面から信頼されているのは、どうやら『安住社長の友人』という肩書きも大きいみたいだ。


「社長さんには、ほんと良くして頂いて。お世話になってます」

 怜ママが、何故か私に頭を下げる。

「倉橋先生は、社長さんの、もしかして恋人でいらっしゃるの?」

 は!? あたしが、アズミンの恋人!?

 あまりに突拍子のない質問に、咀嚼していたフライドチキンを喉に詰まらせそうになる。

 ぐっ、ぐるじぃ!


「違うよ。アズミは、男しか恋人にしないから」

 死にそうになっている私の隣で怜が放った一言に、家族の団らんが静まった。

 怜? え、脩吾じゃないよね?

 何故、この場に爆弾を投下したのですか、怜たん。


「もぉ、そんなジョーダン言って。安住に怒られるよ」

 爆弾処理なら、どんと来いだ。



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