HE IS A PET.


「え、してない。着ないよ、服も仕事用……商品開発のサンプル諸々。着ないよ」

 着ないということを強調して、怜が教えてくれた。

 今までAZMIXの主力商品は、インナーとルームウェアだったけれど、新たにドレス部門を立ち上げるらしい。

 ドレスといっても、ウェディングドレスの類ではなく、キャバ嬢が着るセクシードレスや、メイドが着るメイド服、ゴスロリ服だったりするらしい。


「アズミがデザインしたのを、形にして、メーカーと打ち合わせするんだけど。そのサンプル作りを、俺が出来るようになったら、いいなって思って……今、ソーイング教室に通ってる」

 ソーイング教室?
 何、その主婦の習い事的なワードは。

「服飾の学校?」

「ううん、そんな本格的なんじゃなくて。アズミの友達のママさんがやってる教室。仕事帰りに、週二回。デザイナーや縫製のプロになりたい訳じゃないから、サンプル作りが最大目標」

 控え目な目標を語る怜は、生き生きしていて、堂々として見える。

 モデルをしていた頃は、スポットライトの下、いつも自信無さげで儚かった。



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