HE IS A PET.


 私の言葉に、怜は目を丸くした。

「……王子さまって。びっくりした。咲希さんって、優しすぎるから。ごめん、いつも甘やかしてもらって」

 申し訳なさそうな顔をする、私の王子さま。

「俺と悠里は……小さい頃から当たり前にいすぎて、恋人ってのとも違ってた、気がする。好きって言ってくれたけど、中学ん時に付き合ってるんだって思ってたら『彼氏できた』って報告されて、頭真っ白になったし」

 俺は、チトセの何?

 と訊いたら、ペットと言われたらしい。

 何て不憫な子。
 魔女の姪は、小悪魔確定だな。

 あれ、でもさっき弟の真くんが……

『兄ちゃん、元カノとばりばりエッチしてたし』

 悠里のことだよね?


 募る悶々を打ち破ったのは、ドアのノック音だった。

 ケーキを持って来てくれた、怜ママだ。

「ごめんなさいね、ごたごたした部屋で。片付けときなさいよって、言ったのに」

「いえ、綺麗に片付いてますよ」

 ただ、物が多いだけだ。

「これ、リビングに置いてたけど。先生にお見せしたら?」

 トレーを机に置いて、怜ママが怜に差し出したのは、ポケットアルバムだった。
 写真を差し入れるタイプの、簡単なアルバム。

「じゃあ、ゆっくりしてって下さいね。怜、失礼のないようにね」

 怜ママが出て行くと、怜がやんわりと息を吐く。

「これ、何の写真?」

「あ、四国にいた時の」

「お遍路の?」

 写真を撮る余裕がある旅だったとは、思わなかった。

 見る?と尋ねながら、怜がアルバムを開く。


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