HE IS A PET.


 怜に会えないのは、もう嫌だ。
 離れるのは嫌だ。離れる度に、もう二度と会えない気がして、何度も何度も胸が張り裂けそうな想いがして、

「淋しかった。会いたくて、死にそうだった」

 けど、言えなかった。

 だって、私は六つも歳上で、いい大人で。
 こんな風に、ボロ泣きして駄々こねるなんて、かっこ悪いじゃん。

 かっこ悪いから。何か言ってよ、怜。


「…………咲希さん、ごめん」

 怜は謝って、優しく私を抱き寄せた。

「もう、いなくならない。咲希さんのそばに、ずっといるよ。咲希さんが、もうやだって言うまで」

 怜はそう言って、私のぐちゃぐちゃな顔を両手で挟んで、そっと首を傾げた。

 合わさる唇と唇。

 柔らかくて生々しい感触は、浸る前に離れていって、またすぐに私の口を塞いだ。

 歯列を割って、するりと入ってきた舌先は、私の舌を絡め取り、誘い出すように吸いついてくる。

 混ざり合う唾液と吐息。上がる心拍数、高まる温度。
 後頭部に差し入れられた怜の手が、私の髪の毛を優しく掴む。

 やり場に迷っている私の手を、もう一つの手が繋いでくれた。

 長いキスに蕩かされて、確かな手に実感する。


 怜が好き。


「……咲希さん」

 ぐっと男らしくなった、オス臭い表情の怜に、どきりとした拍子にハッとした。


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