嘘から始まる運命の恋
「マユ」

 快じゃなく圭の声だというのは、顔をあげなくてもわかった。圭が私の前に回って片膝をついて言う。

「ごめん、マユ。本当にすまない。実は今日は快も含めて三人で会って、本当のことを話してマユに謝ろうと思ってたんだ。快を呼び出して一緒にレストランで待っていたら、マユから遅れるってメールがあって。それで、俺が迎えに行こうと外に出たら、ちょうど軽トラが突っ込んできて……こんなことに」
「……私が土曜日の夜、一緒に過ごしたのは、圭、あなたなのよね?」

 私の震え声を聞いて、圭が苦しそうに言う。

「ごめん。弟のフリをしてキミを抱くなんて、俺は最低だ。快には……まだ俺とキミのことは話してないんだ。マユが……もし快と別れたくないと思っているのなら、話さない方がいいと思ったから……」
「……弟さんの怪我の具合は?」
「検査をしたけど、ただの打撲だ。窓際のテーブルがクッションになったおかげで、軽傷で済んだらしい」
「よかった」
「マユ? 顔をあげてくれないか?」

 圭の手が私の肩に触れた。
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