嘘から始まる運命の恋
「んっ」

 耳には早口の英語のセリフが聞こえてくる。字幕が見えないので正確な意味はわからないけれど、さっきの続きのもっと恐ろしいシーンみたい。

 圭が、キスの方に集中しろ、とでもいうように、私の唇を軽く食んだ。

 甘くて柔らかなキス。唇を舌でなぞられ、甘噛みされて……心地良くてポーッとなってきたときに、彼の唇が離れた。

「流血シーンはもう終わったな。いよいよ探偵が謎解きをするみたいだぞ」

 そう言ってケイが体を離そうとする。

 こんなキスをされたら、今さらDVDなんて見られない。

 彼の首に両手を回したら、圭がいたずらっぽく笑った。

「結末が気になるんだろ? 今からがいいところだよ?」
「……圭は見たい?」
「真由奈は?」
「私が先に訊いたの!」

 私の拗ねた声に、圭が目を細めてふっと笑った。

「俺の答えなんか、わざわざ聞くまでもないと思うけど」
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