プリマネ!恋はいつでも真っ向勝負
あのあと、敦士とは一言もしゃべってないけれど、無言で渡されたメンバー表には、ピッチャーのところに敦士の名前が書かれていた。


でも......。

敦士だって手を抜いて投げていたわけじゃないけれど、さすがに決勝まできたチーム。

ろくにピッチャー経験もない投球練習もしてこなかった敦士は、案の定メッタ打ちにされた。


そして、七回表。
7ー0、この回で一点でも入れないと、七回コールドで負け。

この回うちは一番からの好打順にも関わらず、あっという間にうちとられツーアウト。

ツーアウトランナーなしからのバッター、三番の一輝くんがバッターボックスに入る頃には、すっかりベンチはお通夜モード。


「ここまできただけでも、よくがんばったよな」

「だよな。そもそもうちが甲子園行くなんて無理だったんだよ。甲子園なんて、行けるわけなかったんだ」


一輝くんに声援も送らずに座ったまま、ベンチの後ろの方からボソボソとそんな声が聞こえてくる。

無理、だったのかな。


いつもだったら反論するところだけど、さすがのあたしも、試合前に敦士とやり合ったこともあったし、なにより、あとひとつでコールド負けのこの状況。

スコアブックを見ながら、小さくためいきをついた。
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