プリマネ!恋はいつでも真っ向勝負
少し考えてピンときたあたしは、すぐにしたり顔で一輝くんの腕に自分の腕をからませた。


「もしかしてー、一輝くん妬いてくれたの?
あたしが他の男とデートしたら、嫌だったりしてー」

「ち、違いますよ!そんなんじゃなか。
ただ......なんていうか......、こがんことはみどり先輩を利用しとうみたいで許せんとです......」


口では否定しつつも、真っ赤になって口ごもる一輝くんはあたしの腕を振り払ったりはしない。


「おいおい、なんかイイ感じじゃね?
お前らもう付き合ってんの?」

「付き合ってるみたいなもんだよね?
あたしたち朝も帰りも一緒だし!
ね?一輝くん」


あたしたち何気に家の方向も同じ電車通学だし、野球部に入ってからというもの朝も帰りも一緒。

学年が違うから、授業は別なのがサミシイけど、こんなに一緒にいるんだから、一輝くんもとっくにあたしの魅力に気づいてるはずだよね?


敦士に突っ込まれて、一輝くんの顔を下からのぞきこむと、一輝くんは勢いよく首を横にふった。
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