絶叫脱出ゲーム~奴隷部屋カラ今スグ逃ゲロ~②
本当ならこんな風にクラスメートを紹介したくはなかった。


みんな仲のいいあたしの友達なんだよと、紹介したかった。


「朱里ちゃんの隣に映ってる子は?」


優也さんが彩美を指さしてそう聞いてきた。


「守田彩美です。あたしの親友でクラス内では一番勉強ができる子です」


「へぇ……なるほどね」


優也さんはそう言い、顎をさすった。


「あの……彩美は奴隷候補にはなりませんよ?」


「どうして?」


優也さんが写真からあたしへと視線を移す。


「親友だって言ったじゃないですか」


「親友だからこそ、朱里ちゃんの言葉を信じてくれると思うけどねえ」


優也さんの言葉にあたしは唖然として目を見開いた。


確かに彩美ならあたしの言葉を信じてチケットを受け取るだろう。


でも……一番の親友を奴隷候補にするなんて考えられない。


「一応、頭の片隅にこの子の存在も置いておく方がいいかもしれないよ?」


「そんなっ……」


「朱里ちゃん。これは君と俺の生死がかかっていることなんだ。それをよく考えて」


そう言われ、あたしは返す言葉を失ってしまった。
< 28 / 140 >

この作品をシェア

pagetop