シュールな関係


気まずい沈黙を破ったのは大和だった。



「すまなかった

一緒にいてたのにこんな目に合わせて・・・」


大和が辛そうに眼を細めている。



「黙っててよ!!

わたしに話しかけないでって、言ったよね?」


さっき泣き腫らしたつもりでも

はずみでまた涙腺が緩んで来そうになる。

泣き顔は絶対に見せたくない。



「俺の独り言だから、聞かなくてもいい」


そう答えると大和がゆっくりと話し続ける。



「しみ抜きに行った奈緒の場所が分からず

麗華の連れに場所を聞いていけば

床に髪が散乱し、ハサミが転がってて

薄紫の切れ端を見て

奈緒が部屋にいねーし、マジで青ざめた。


女らには『覚悟しとけ』とドスを聞かせ

雅兄を呼んできっちり詫び入れさろって言って飛び出してきた」


おとしまえに詫びって、まるでヤクザの世界の話し方に聞こえる。




「さっき山本からの連絡で藤堂のおっさんにも瑠璃にも

大激怒して怒鳴りつけてたし…

今頃は大暴れしてると思うぜ



ポーカーフェイスの山本の声がオロオロしてたくらいだったから


見ものだろう


もうお前を絶対に苦しめたりはしないから。



これからは俺がお前を守るから」



運転をしながら独り言をつぶやき続ける。

これが独り言なのか!?



きっちりわたしに報告をしてるけど全部信じきれると思ってるの?


何が守るよ…嘘を付くなら始めっから何も聞きたくない。


大和の顔を避けていても窓から反射して彼のシルエットが見え

唇を噛みしめる。

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