白い花が咲いたなら

 “恋人同士”。

 それって、なんて恥ずかしくて、甘くて、憧れる言葉なんだろう。


 その言葉の持つ甘酸っぱい響きを、あたしは噛みしめた。


「だからさ、お願い。……キスさせてくれ」


 なぬ!?


 バッと振り向くと、近藤くんはパチンと両手を合わせて『お願い』ポーズをした。


「女の子とキスする経験もないまま人生終了なんて、あんまりだろ? 哀れな少年を救うと思ってさ」


「あ、あたしだって哀れな少女なんですけど!?」


「だからさー、哀れな者同士で」


「なにそれ! 近藤くんてそんな理由で女の子にキスすんの!?」


「違うよ。怜奈が好きだから」


「……!」


「好きな女の子とキスしたい。理由はそれだけ」

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