白い花が咲いたなら

 ひとしきり笑って弾む息を整えながら、あたしは聞いてみた。


「ねえ、あたし達って天国に行ったら、またこうして会える?」


「あー、んー。……それは」


 近藤くんは、困ったように口ごもってしまった。

 それであたしには、わかってしまった。


「そっか。うん、そうだろうね」



 命は、この世にひとつだけ。

 人生も、一生一度だけ。


 人は、死んだ後には生きられない。


 だからこそ人は、死を恐れる。

 そして精いっぱいの命を生きようとする。


 天国を信じて、そこでも生き続けたいと願うことは、それはつまり


 二度とは生きられない人生を、それほど大事に思うことの証でもあるんだ。

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