白い花が咲いたなら

「あたしたち、もう二度と会えないんだね」

「怜奈、そう決めつけるのは早いと思う」


 近藤くんはゆっくり首を横に振った。


「俺は天国が存在するかどうかなんて、知らない。だから俺たちがまた会えるとも、会えないとも言えないんだ」



 本当のことは、だれも知らない。


 だったら、願うくらいは許されるんじゃないか?


 きっと再び、ふたりが出会えるって。


 それが天国なのか、来世なのか。


 一年後か、十年後か、百年後か。


 それでも、いつか会えると信じたっていいんじゃないか?


 このキスは、その約束。


 未来へ続く希望の証明。


「死者が未来へ希望を繋ぐなんて、おかしいと思うか?」

「ううん」

< 58 / 63 >

この作品をシェア

pagetop