歪んだ愛情【更新中】
「携帯鳴ってるよ」
ズボンのポケットの中で鳴る、バイブレータに気が付いた。
実は先程から
3回くらい鳴っている。
「え?あ、ホントだ!よく気が付いたね。マナーモードにしてんのに」
「あたし耳いいんだよね。すごい遠くでも聞こえるたり、小さな音でも聞こえるんだ」
「すげえ!美海、目もいいって電話で言ってたよね!」
「すごくないよ。嫌なことも聞こえたり、見たくなかった物も見えたりするもん」
信吾にかかって来る電話で、信吾が遠くで話しているのに内容が聞こえて、それが女だと分かってしまった。
信吾が一瞬で隠したメールの内容も、次はいつ会える?という内容で、美海には見えてしまった。
そんな事ばかりだ。
「メールの返事しなくていいの?」
「うん。友達からのくだらないメールだから」
でも、
妙に勘の鋭い美海は
なんとなく千歳の不審さに気が付いた。
何より、
ポケットから取り出した携帯はピンク色に点滅していた。
友達からのメールのイルミネーションをピンクに設定するだろうか。
美海は信吾からメールや電話が来ると水色に光るように設定してある。
信吾は美海からのメールや電話が来ると、
ピンク色に光るように設定してある。