歪んだ愛情【更新中】
「美海?」
「あ、ごめん。考え事してた」
携帯を握りしめたまま、
美海は窓の外を眺めていた。
あまりにも喋らない美海に、
信吾は苛立ち
荒い運転をした。
「最近変じゃない?」
「そうかな?忙しくて疲れてるんだと思う」
「もう帰る?」
「どっちでもいいよ」
帰りたくない。
まだ一緒にいたい。
と言えなくなってしまった。
昔はハンドルを握る信吾の手を握り、
帰りたくないと言ったものだ。
でも今はその言葉すら
頭を過らない。
「じゃあ俺んち行こう」
思わず顔をひきつらせながら信吾を見た。
こんな時
断る理由がすぐに見つからない。
小さく肩を落とし、
また窓の外を眺める。
信吾の家は気を遣う。
この時間なら
両親も妹もいるだろう。
何にせよ、
あの広い家にいると
若干苦しくなる。