歪んだ愛情【更新中】
「あら、美海ちゃんいらっしゃい」
「お邪魔します。急だったもので、何も持ってこれなくてすいません」
「そんなのいいのよ。自分の家だと思ってくれて構わないのよ?」
丸くて垂れ下がった優しい目。
上品な言葉遣いに、
どれも高そうなアクセサリー。
玄関の大理石を踏むだけで心苦しくなる。
金色の取っ手に手を触れ、リビングのドアを開ければ何畳あるか分からない壮大なリビングが広がっている。
リビングの家具は
どれもイタリア製で
取り寄せた物ばかり。
元々高い物や
ブランド物好きな美海。
いわゆるVIP思考というやつだ。
最初は感動していたが、
最近は凄すぎて何も言えなくなっていた。
長い螺旋階段を上がれば、多すぎるほどの部屋がある。
3つくらいは信吾の部屋。
寝室と、
勉強部屋と、
遊び部屋。
寝室に入ると
クイーンサイズのベッドが真ん中に置かれている。
「相変わらず大きい家」
「そう?」
信吾の父親は
貿易会社の社長だ。
雑誌でもたまに目にすることがある。
その長男が信吾。
既に社長の椅子が用意されている男。
このままいけば
美海は社長夫人。
VIP思考の美海には
最高の権利。