オフィス・ラブ #3


「相手の人、恵利の上司なんだって?」

「じゃ、あんたが取りもったの?」



テラスの階段を下りながら、同期の女子たちに囲まれる。

新婦同期として招待された私は、式の時も披露宴の時も、久しぶりに会えた彼女たちと一緒にいた。


ちなみに新庄さんは「新郎元同僚」という席次の表記で、6部のメンバーと同じテーブルに配置されていた。



えーと、と返答を考える。

間接的には、そうなるんだろうか。


でも全然知らなかったよ、と答えになっているようでいない返事をしておく。



「かっこいいじゃん、旦那さん」

「そうだねえ」



少し先で、ドレス姿の彩と会話を交わす堤さんを見る。

シルバーグレーのタキシードが、綺麗な顔とすらりとした身体にぴったり合っていて、本当に素敵だ。


いまだに、あのふたりが夫婦という気がしないけど。

こうして並んでいると、ちゃんとパートナーに見えるから、不思議なものだ。



行くよー、と彩が叫んだ。



チャペルの横の、一面の芝生の上で、ブーケトスが行われようとしていた。

プルズが主流の昨今、古典的なトスは、爽快で気持ちがいい。


晴れ渡った2月の空の下、元気に彩がブーケを振る。


彩の招待客は、わりと独身が多いらしく、20人近くの女性が中央に集まっていた。

それをぐるりと囲む既婚女性と男性の中に、6部の顔を見つける。

頑張れ、と檄を飛ばす課長に笑いつつ、特にガツガツすることもないかと思い、私は後ろのほうにのんびりと立った。

< 150 / 152 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop