恋の魔法
明日は休みだし、俺達若者にとってはまだまだ宵の口だけど、その親世代となると、そろそろ睡眠の準備に入ろうか、と考える時間帯だろうから。


「自分の部屋じゃないんだ。TVでも見てたのか?」

『ううん。ちょっと、お腹すいちゃったから…』

「ああ、なるほどな」


お菓子か何かつまみ食いに来たって訳か。


『あのね、私、あんまり長い時間話せないの』

「あ、うん。ちょっと話したらすぐ切るから」


そうだよな。
普通に考えたら、電話するには非常識な時間だもんな。


しかも綿貫は家族と同居してるんだし。


ボソボソ話す声って、案外耳に障るもんな。


長電話してたら親御さんにご迷惑だよな。


「ついつい、綿貫の声が聞きたくなっちゃってさ…」


ぅおっ。

言っちまった!


今日の俺ってば、結構ストレートに大胆だぞ!


『ん?うん…』


しかし綿貫は心ここにあらずな感じで、俺のトークなどろくすっぽ聞いちゃいない。


おいおい!


せっかく俺がデレデレフェアを開催したのにノッて来てくれないんかい!


思わずキレそうになったが、すぐに我に返る。


い、いかんいかん。


せっかくの貴重なラブコールタイムなのだから、最後まで甘々を貫き通さなくては。
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