恋の魔法
きちんと日常使いができる物を生み出せるなんて、つくづく尊敬するよなー。


『うん。自分の中でベストな肌触りの生地を買って来たの。寝ててすっごく気持ち良いよ~』

「何の生地?どういうデザイン?色は?サイズは?」


『……麻宮君、もう切っても良い?』


うっ。


この声音は間違いなく引かれてしまったしすこぶる気味悪がられている。


我ながら尋問トークだったよな、と大いに反省しつつ、しかし必死に食い下がった。


「も、もうちょっとだけ話そうぜっ。あ、そうだ!月曜日に予定されてる、実行委員会とのミーティングなんだけどさっ」


話題は結局ただの事務連絡へと変貌を遂げてしまった…。


でも、意地でも綿貫と会話を続けたかったから…。


ラブラブトークは遠いお山の向こうに飛んで行きましたとさ。


仕事に関することだけに、綿貫も無下にはできず、そのまましばらく会話は続いた。


『あ!』


しかし、彼女は突然雄叫びをあげる。


「え!?ど、どーしたっ?」

『8分も経っちゃった~』


今にも泣き出しそうな声だ。


「へ?な、なにが?」

『ラーメン…3分計ってたの』

「……今からカップラーメン食べようとしてたのか?」

『うん』


太るぞ…。
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