浮気者上司!?に溺愛されてます
「何? 紫乃に同情出来るくらい、奏美は余裕あるのか?」


一瞬表情を険しく歪めた恭介から、私は思いっきり顔を背けた。


「そんな言い方しないで。同情、なんて……。人を上から見てるみたいじゃない」


まさにその通りなのかもしれない、と思いながら、それを認められない。


今、恭介に愛されているのは私。
だから、こうして恭介を紫乃さんに返すことに、何も不安はない。
だって一時的だもの。
恭介はちゃんと私のところに帰って来てくれるもの。


そんなことを考えながら恭介を家に帰そうとする私は、愛されなかった紫乃さんを哀れんでるとしか思えない。
だけど、違う。
こうやって余裕を保たないと、不安を拭えないことを、自分でわかっている。


こんな風に考える私、本当に嫌だ。
初めての恋なのに、浮気から始まって、人の物を奪う恋に発展してしまった。
恭介が最初に私に意地悪く言ったように、私は本当に悪い女にされてしまったのかもしれない。


「……紫乃の気持ち考えたところで、俺に出来ることがあるとは思わないんだけどな」


恭介はしっかり姿勢を正して立つと、溜め息をつきながら私を見つめた。


「でも、わかった。それなら、俺と奏美は、しばしのお別れ」
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