浮気者上司!?に溺愛されてます
デスクに頬杖をついてぼんやり目線を上げるだけで、彼の背中を見つけられる。


今日のダークグレーのスーツ、初めて見るな。
ほんと、後ろ姿なのに悔しいくらいカッコいい。


業務中だとわかっていても、ついつい目が行ってしまう。
ダメダメ、と自分を抑えても、そこに彼がいる限り、見るなというのは無理なことだ。


束の間のお惚気ボンヤリタイムは、私に向かって返されるからかうような同期の視線で終わりを告げる。


またしても私の視線に気づいた高津が、ニヤニヤしながら私を見ていた。
その上、向かい側の恭介を軽く促して、電話中の恭介まで大きく振り返って私を見やる。
そして、二人してニッコリと微笑みかけてきた。


う、うわ~……。
このお堅い業務中に、恭介の笑顔は破壊力満点だ。
そして、こんな風に合図されてドキドキしていたら……。
秘密にしなきゃいけない社内恋愛だとわかっているのに、私は隠しきれずに顔に出てしまう。


私たち二人の間で大きな溝になっていた誤解が解けてからまだやっと二週間足らず。
それでも、私と恭介の本気の恋はそれまで以上に大きく大きく育っていた。


さすがに公私混同だけは避けたいけれど、これが社内恋愛の大きなデメリット。
こんなに焦がれる恭介がそこにいるのに、気持ちを抑えろなんて、拷問に近いものがある。


そして今、私はこの恋心をしっかり恭介にも視線で伝えてしまって、真っ赤に火照った顔を抑えながら身を屈めて二人から隠れるのが精いっぱいだ。
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