『笑って?』『大丈夫…一人じゃないよ』


「みてみて~」

「どうしたの?」

「この服可愛くない?」

「本当だ~」

「色違いで買おうよ」

「いいね」

「ねぇ梨琉」

「ん~?」

「梨琉はさ冴崎の事
好きだったの?」

「そうじゃなかったら
付き合わないって~」

「じゃあ何で…」

「浮気しようが犯罪を犯そうが
別に構わないんだ~
…ただ…私はしないってだけ~」

「じゃあ、別れなくても」

「私から別れを切り出すのは
あまり好きじゃないんだけどね~
別れた方が相手のためって
思ったんだ~」

「どうして?」

「…なんとなく~」

「そう、なんだ」

「うん…それより~
これどう思う?」

「へっ?」

「可愛くない?」

「可愛い~」

「これ美味しいかな~?」

「美味しそ~う
みんなも食べれそう」

「40個入りだから
余っても他の人に
あげれるしちょうどいいかも」

「お土産ってなに買えばいいか
悩むよね~」

「そうだね~
ケータイがあるから
みんなに聞いてみる?」

「脅かそうよ!」

「みんな旅行行くって
知ってるから驚かないと思うよ?
…でも朝じゃなくて
放課後渡すっていうのは
ありじゃないかな?」

「それじゃあ
あんまり驚かないと思うよ?」

「ごめん!」

「え?何が?」

「お土産買うのうっかり忘れてた」

「え?」

「って言ったら
大丈夫じゃない?」

「さすが梨琉!」

「じゃあ早速買おっか」

「割り勘?」

「…これは亜香里が払ってくれる?」

「えっ?」

「私は人数分買うものがあるから」

「なに買うの?」

「明日のお楽しみ~」

「わっ分かった」

恋愛運と金運と成功運と
おみくじと他に何か…
あっこれいいかも

「ニ万八千円になります
…丁度ですね
ありがとうございました」

買えた買えた

「おまたせ~」

「そんなに待ってないよ」

「お昼食べよっか」

「そうだね」

「あわよくばお土産を
みよう…なんて考えてない?
亜香里」

「えっ何で分かったの?
エスパー?
エスパーだったの?」

「顔に書いてた」

「えっ嘘っどこ?どこ?」

「……バカ?」

「えっ?」

「お昼あそこで食べるよ?」

「ここって…
私が行きたいって
言ってた所」

「隣の隣の県だから
行けな~いって
言ってたから」

「ありがとう~
だからこの県にしたの?」

「一緒に旅行したくて…
でも行きたい場所全然
思い付かなかくて」

「そっか~」

「この県限定って言葉
調べたらたまたま
亜香里の言ってた場所が
出て…丁度いいやって
思ったから」

「梨琉ってさ」

「ここにしたの!」

「なんて言おうか
迷いながら喋ってると
話長くなるね」

「知ってる…」

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