~Lion Kiss~
けれど彼はそれを封じ込めるように微笑んだ。

「もう二度とあんな事しない。だから、許してくれないか?」

頷くしかなかった。

治人さんが好きだから。

けれど私の胸の中はザワザワとしていて、これ以上治人さんを見ていられなかった。

******
金曜日の定時後。

「……許せない」

柚希がポツンと呟いた。

柚希の彼、裕太くんが今日から7日間、香港へ出張で留守だというので、仕事帰りに私達はビールとツマミを買い込み、柚希のマンションで女子会を開くことにしたのだ。

あの日の出来事を詳しく柚希に話すと、彼女は怒り狂った。

「こんなこと言いたくないけどさ、有川さんって、変なんじゃないの」
< 101 / 444 >

この作品をシェア

pagetop