~Lion Kiss~
「泣いてる時くらい、おとなしくしてろよ。気の強ぇ女だな、全く。
とにかく車、ロックしてねーんだよ。しかもあそこは駐停車禁止だ」

來也は私をお姫さま抱っこしたまま、悠々と歩いた。

涙と鼻水でグシャグシャになった顔で來也を見つめると、彼はクスッと笑った。

「ほら、俺の服で顔拭け」

へ?

「抱き付けって、俺に。気にしないでいいから」

「いいよっ」

私は自分の袖口で顔を拭うと、それからギュッと眼を閉じた。
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