~Lion Kiss~
「…アンタの生まれた日を全身全霊で呪ってやるーっ!」

私はジタバタしながら來也を睨み付けた。

すると來也は両手に力を込めて私の手首を下げ、素早く離して私の背中に両腕を回した。

「……っ!」

逞しい來也に抱き締められて、私は驚いて固まった。

「……そろそろおとなしくなれって」

來也の低い声が耳のすぐ近くで響き、彼の息が首筋にかかる。

今日はこそばくない。

温かくて心地好かった。

涙が込み上げる。

私は声をあげて泣き続けた。

来也に抱き締められて安心する自分が、矛盾だらけで嫌な奴に思えて、どうしようもなく情けなかったのだ。
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