~Lion Kiss~

乱れる気持ち

眼が覚めると頭が痛かった。

あの後、私が泣き止むまで、來也は私を抱き締めていた。

やがて泣き疲れた私はシャワーを浴びて、またしても来也に服を借り、彼の提供してくれたベッドに潜り込んだ。

でも、眠れなかった。

いや、今目覚めたのだから、いつの間にか眠っていたのは確かだ。

……瞼が重い。

今日が土曜日でよかった。

私は眼を閉じると、來也の匂いがする布団にくるまった。

……これからどうなるんだろう。

多分、治人さんとはもう終わりだ。

もうきっと元には戻れない。

治人さんの憎しみに満ちた黒い瞳を思い出すと悲しかった。
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