~Lion Kiss~
「ごめんな」

私は変だ。

酔ってるのを差し引いても変だ。

神様も來也も、ぶっ殺してやりたいくらいムカつく。

けど無神論者じゃないし、むしろ神様の存在を望んでる。

それに來也に抱き締められるのは、嫌じゃない。

嫌じゃないどころかひどく安心する。

なのに、恨みが口を突いて出てしまう。

私は多分、頭がおかしいんだ。

けど、どうしようもない。

「來也、私、辛い。治人さんが好きなの」

來也の身体がビクリとした。

「あいつは……ダメだ」
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