~Lion Kiss~
「……分かってる。分かってるよ。けど、悲しいの」

私は來也にしがみついた。

「もう寝ろ。眠るまで付いててやるから」

「……眠れないよ。お酒ちょうだい」

「ダメだ。もう今日は飲むな」

言うなり來也は私を抱き上げて、寝室へと足を進めた。

ベッドに下ろされたけど、私は來也の首に回した腕を解かなかった。

「一緒に寝て」

「……マ、」

「隣にいて。だけど、へんなとこ触らないでよね!」

來也がクスリと笑った。

「何だよ、自意識過剰かよ」
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