~Lion Kiss~
けど、それがきっかけで私と治人さんの関係にヒビが入った。

そして今、それだけじゃなくなった。

來也が振った緑川さんと、私の恋人だった治人さんが、婚約?!

どうしてそうなるの?

『寄り道しないで帰ってこい』

來也からのラインに眼を通すと私は両手で顔を覆った。

このときの私には、冷静に考える余裕がまるでなかったのだ。

******

なんとか業務をこなし、定時が過ぎた頃、付いていようか?と言ってくれた柚希に感謝しながらも、私はその申し出を丁重に断った。

誰よりも來也に会いたかったから。

渡されたカードキーを使い、15階の來也の部屋に入ると、私はリビングの床にペタンと座った。
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