~Lion Kiss~
來也はまだ帰っていなかった。

テレビもスマホも怖くて見れなかった。


*******

「マヒル……」

パチンと音がして、部屋中が明るくなり、私は眼を細めた。

「おっかえりー!!」

來也はボトルを持っている私を見て唇を引き結んだ。

「スーツ姿の來也はかっこいーねえ!
あ、ごめん、勝手にバーボン開けちゃった」

「バカか、お前は。飲みすぎだ」

私はフフフと笑った。

「そんなに飲んでないし。……それに、酔った方が今はいいと思ったから」

來也が私の頬を両手で包み込んで、至近距離から瞳を覗き込む。
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