~Lion Kiss~
私は訝しげに眉を寄せた。

この部屋に見ちゃいけないものがあるとは思えなかったから、私は少し驚いた。

机やタンスがあるわけでもないし、開ける戸棚だってない。

当たり前だけど、貴重品を物色する趣味は私にはない。

この部屋にあるのは、箱に入ったまま使われていない家電製品などだ。

唯一、棚と言えば本棚が置いてあるだけで、その中には20冊も満たない数の書籍が納められていた。

「見たけど……それより、勝手に入ってごめんね」

來也が私の二の腕をつかんだ。

「見たからには……何処にも行かせない」

私は來也を見上げた。

「は?」
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