~Lion Kiss~
「あんな挑発的に誘っといて、とんだ女狐だぜ」

私は鼻で笑った。

「ちょっと見つめただけだけど?
コロッと引っ掛かったあんたが悪いんでしょ。
しかも女狐?!せめて女豹と言ってもらいたいわね。
……あんたは動物でたとえると……見かけ倒しの雄ライオンって感じ。あはは!」

言い終えると私はツンと横を向いた。

「何がマアサだ。マヒルだろ、本名は」

ち、クソッ!

「どーせもう会うこともないから朝でも昼でもどっちでもいーかなー、なんて」

私がそう言いながらニッコリと微笑むと、隣のイケメン……來也が唇を引き結んだ。

「……なに?」

來也があまりにも私を凝視するから彼が何か言うのかと待っていたけど、数秒経っても無言なものだから、諦めてジョッキを傾けた。
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