~Lion Kiss~
「お前さ、器物破損て言葉、知ってる?」

「は?」

「お前、俺ん家のテーブルに落書きしたよな?!」

もう出逢わない想定で確かにしたわ、忘れてたけど。

テーブルにあったマジックで『バァカ!』て書いた。

「落書きはしたけど壊してないじゃん」

私の言葉に來也はムッとしたようで、至近距離から私を睨んだ。

切れ長の眼が苛立たしげに光る。

「アホか。落書きだって器物破損に当てはまるんだよ。
あのテーブルはなあ、世界に一つしかないんだぞ。どう責任取ってくれるんだよ」

どうって……。

「いくらしたの?」

「バカか。話聞いてなかったのかよ。あれは世界に一つしかないんだ。プライスレスってやつなんだ」
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