~Lion Kiss~
「きゃあ、私のハイボ、……んっ……!」

心臓がドクンと跳ねた。

だって來也が私の後頭部に手を回すと、素早く唇にキスをしたから。

途端にレモン風味の炭酸と、ウィスキーが口一杯に広がり、私は眼を見開く。

最後に來也の舌が触れて、私は思わず來也の服をギュッと握った。

コクンと飲み込むと、來也は私から顔を離して瞳を覗き込んだ。

「もう二度とするな。お前がそんな事する必要は、もうなくなったんだ」

裁きたかったのは、一樹との過去のせいだ。

それを遂げた今、自分を過去の呪縛から解放しろと、來也は私に告げているのだ。

ゆるゆると心から、長年の膿が出て、傷が治っていくような気がした。

來也は私を抱き締めながら続けた。
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