~Lion Kiss~
「……完成度高過ぎ」

ボソッと彼女が呟いた。

そりゃそうだよ、來也のために作った夕飯なんだから。

私はニッコリと微笑むと、私を見つめる彼女から視線をそらしてリビングを後にした。

來也のマンションを出て歩き始めてようやく、心臓がドキドキし始めた。

至近距離から來也の彼女を見てしまった。

栗色のストレートヘアは、丁度私と同じくらいの長さで、笑顔が凄く可愛いかった。

そうか、來也はああいう人が好みなんだ。

何かを含むような眼差しも、男性からしたら小悪魔的でグッと来るのかも知れない。

私ですら、彼女の意味深な視線に鼓動が跳ねた。

緑川冴子さんとはまるでタイプが違うけど、素敵な女性だと思った。
< 204 / 444 >

この作品をシェア

pagetop