~Lion Kiss~

ライオンの事情

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女という女にうんざりしていた時に、マヒルに出逢った。

彼女を部屋に連れ込んでソファへ押し倒した時、見ず知らずの俺とセックスしたがってるこの女も、今までのヤツと一緒だと思ったんだ。

だからその数分後、俺は独りで大笑いした。

バスルームから戻ると彼女は消えていて、テーブルには大きく黒字で『バァカ!』と書かれていた。

他でもない、俺に向けられた言葉だと言うことは明白だ。

彼女は聞いていたんだ。

ショットバーでの俺の言葉を。

あの誘うような眼差し。

潤んだ茶色の大きな瞳。

どんな風にすれば男をその気にさせることが出来るか、彼女は知っている。
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