~Lion Kiss~
俺は彼女との出会い方に後悔を覚えた。

『金持ちで品も良く、見た目も地味で誠実で、安心できる男』とかたや、『女を軽視し、誰彼構わず引っかけてヤりまくりの軽い男』

勝ち目なんかねえじゃねーか。

有川治人はスイスの大学で二年先輩だが、金持ちという以外はどこにでもいるような男だった。

だが、マヒルはそういう、地味で安心できる男がいいと言う。

安全パイなだけだろ?俺を選べよ。

そんな気持ちがムクムクと頭をもたげたが、まさかそんなこと言えるわけがない。

さて、どうしたものか。

なんとか、彼女の心に入り込みたい。

うまい具合に同僚が去り、マヒルだけになった時、俺は意を決して話しかけた。
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