~Lion Kiss~
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それから約一週間後、俺は幸運にもマヒルとバッタリ出逢った。

仕事が早く終わり、女に振られた総二郎を慰めてやろうと二人で宮代へと出掛けたところだった。

トボトボと歩き、下ばかり向いているマヒルは俺たちに全く気づかない。

「総二郎、マヒルだ」

信号待ちをしているマヒルを見て、総二郎は少し眉をあげた。

「イイ女だな」

マヒルは声をかけた俺に、相変わらず嫌な顔をした。

そのクセに振られた総二郎には気遣いを見せ、優しい言葉を口にする。

マヒルの眼差しに、総二郎が動揺したのが分かった。
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