~Lion Kiss~
……急にタメ口かよ、なんて思ったけれど、そのせいか、徐々に緊張が解れてきた。

「何処に向かってるんですか?私の家と正反対の方向ですけど」

青年が、鼻で笑った。

「田園調布の相澤家に向かってる。アンタのショボい家に向かうわけないだろ」

……こいつは、親にどういう教育を受けてきたんだ。

思わずムッとして眼を細める私とミラー越しに眼が合い、青年はフッと笑った。

「あんた、兄貴が好きなの?」

……やっぱりな。

だってこの人、來也にすごく似てるんだもの。

「あなた、來也のご兄弟?だったら彼から聞いてない?私と來也は何でもない」

「ふうん」
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