~Lion Kiss~
兄弟揃っておんなじコメントかよ。

「そう!元短距離走者。ヒールじゃなきゃ負けてない」

半分ヤケクソで私がそう言うと、來也の弟……征也は大きく笑った。

「フッ!俺を舐めんなよ。俺は県大会で」

「どうでもいい」

「冷てーな、おい」

「……帰る。離して」

「なあ」

もう、なんなのよ、ほっといて!

そう思いながら征也を睨むと、彼は汗だくで私を見下ろしていた。

額から、頬から、汗が筋になって流れている。

來也と良く似た綺麗な顔が、私を追いかけたせいで汗だくという事実。
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