~Lion Kiss~
「こら、マヒル。にーちゃんの前でチューをねだるな。照れるだろ」

きゃあ、アホかっ!

ニヤける征也とは対照的に、更に怒りを顕にして來也は私達に一歩近付いた。

そんな來也を、征也は笑みを消して見据えた。

「間宮さんから聞いたよ。ろくに眠りも食いもせずに、仕事場にこもりっきりで、体調崩して入院してたんだってな」

え……?!

「……ほっとけ。入院っつってもたった三日だ」

「恋人ができて、少しは人並みの生活に戻ったと思ったら、またかよ、兄貴!」

來也はギリッと征也を睨み据えたまま、唸るように言った。

「お前に関係ねーだろ」

「いいや、あるね!
兄貴のそういうところが、家族に辛い記憶を呼び起こしてんだよ!そんなに自分を追い詰めて、それを見てる家族の気持ちを考えた事があるのかよ!?兄貴が自分を痛め付ける度に、家族だって傷付くんだよ!」
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