~Lion Kiss~
來也が眉を寄せて顔を背けた。

征也は続けた。

「そうやってマヒルの事も放っておくのか。
傷に触れそうになった相手を拒絶するのか。
だったらマヒルは俺がもらうからな!兄貴にマヒルは勿体無い」

弾かれたように來也が私達を見た。

その時突然、本当に突然、征也は素早く私の唇にキスをした。

まさかキスされなるなんて思ってなくて、私は驚きのあまり硬直した。

けれど次の瞬間、身体が横揺れし、引き剥がされるように私と征也に距離が生まれた。

「らい、や」

「行くぞ」

征也から無理矢理私を引き離すようにして担ぎ上げると、來也は短くそう言った。

「あ、あの、」
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