~Lion Kiss~
有川治人だ。

パーティーの間、幾度となく有川治人と社長は会話していたが、もうお開きの時間なのに、なんだろう。

「ああ、有川さん!今日は大変有意義でありながら、非常に楽しい時間を過ごせました。ありがとうございます」

社長は、取引先の社長の息子である有川治人に向かって白い歯を見せた。

「私もです、社長。ありがとうございました」

にこやかに言葉を交わし、私達は、では、と頭を下げてエレベーターへと足を向けた。

その時だった。

「藤吉……さん!」

有川治人が突然私の名前を呼んだ。

「……は、い……」

凄く驚いた。
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