~Lion Kiss~
思わず声を荒げた私を、來也は見つめた。

それから、僅かに頬を傾けて、眩しそうに眼を細めた。

「愛してるって言っただろ?」

その瞳の悲しげな光に、私は胸を突かれて俯いた。

……いつからだろう。

昔の私ならきっと『愛してる』の言葉だけで安心できた。

けれどもう、私はその時代を通り越しているのだ。

愛してるだけじゃ、一緒にはいられない。

愛してるなら、もっと教えて。

愛してるからもっと知りたい。

重苦しい沈黙の中、來也の弟……征也の言葉が蘇る。

『兄貴のそういうところが、家族に辛い記憶を呼び起こしてんだよ!』
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